文系エンジニアは理系と比べて不利なのか?と疑問に思うことはありませんか?

「文系エンジニアの方が給料が安い?」
「理系の方がプログラミングに向いているのでは?」
「ドキュメント作成やコミュニケーションは文系の方が得意?」
「商談では理系エンジニアの方が評価されることはあるの?」
「会社が文系ばかり雇っているけど、業務的には問題ないのか?」

などと疑問に感じる方もいることでしょう。

もし文系出身であることが不利となるならば、
エンジニアとして仕事を続けていくことを諦めて、
早めに転職を考える必要があるかもしれません。

この記事では、エンジニアとして働いたりキャリアップするにあたって、
文系出身であることが不利になるのかについて解説していきます。

文系エンジニアが理系より不利でない4つの理由【自分の適性を活かす】

結論からいうと、 スタート時において経験が少ない文系エンジニアは、
すでにプログラミング経験が豊富な情報学科出身エンジニアや
関連知識を有する他の理系出身エンジニアよりも不利だが、
ある程度努力してスキルと経験を積めば不利であることを感じない程度までには持っていけます。

その理由としては、

  • 文系理系は基本的には志向や分野が違うだけで適性の有無はあまり関係ないから
  • 情報学科出身が有利なのは、早いうちからプログラミングなどに取り組んでいるから
  • 大抵のプログラミング業務では数学的知識が要求されることがあまりないから
  • 実際の業務ではプログラミングだけをすればよいわけではないから

というものが挙げられます。

以下で、1つずつ解説していきます。

1.文系理系は基本的には志向や分野が違うだけで適性の有無はあまり関係ないから

文系や理系といった区分では、例えば経済学が文系、情報工学が理系というように分かれています。

一般的に、理系と呼ばれる学部では数学的思考や論理的思考が
必要になることが多く、そのような思考が得意な学生が集まります。

文系と呼ばれる学部では数学や論理的思考が苦手なタイプが集まる傾向もありますが、
全員がそうではなく、ただ単に法学や経済学に興味があったから文系を選択している場合もあり、
文理の違いによって数学的素養の有無や論理的思考の得意不得意が分かれるとは限りません。

つまり、文系を選んだどうかはプログラミングの適性とは関係があるとは限らないということです。

実際、プログラマー需要が増えているから就職に有利だと思って情報工学を専攻したものの
C言語のポインタを理解できずに挫折する学生もいますし、
趣味でプログラミングを行う文系の学生もいます。

確かに理系出身の人はプログラミング適性があるようなイメージもありますが、
それと文系出身の人がプログラミング適性がないかどうかとは関係ありません。

2.情報学科出身が有利なのは、早いうちからプログラミングなどに取り組んでいるから

情報学科の学生は、文系の学生が他の分野の学習をしている間に、
すでにプログラミングに関する知識や技術の習得を始めており、
卒業時にはある程度の水準まで達しています。

また、その学位を持っている事自体が、
情報工学のある程度の知識や技術があることの証明になるため、
エンジニアを必要とする企業などから
そのような人の評価が高くなることは当然といえます。

文系だろうと理系だろうと知識や技術がない状態で、
そのような人たちと肩を並べようと考えていること自体無謀です。

また、同じ理系で情報工学と近い分野を専攻していた人であれば、
プログラミングの知識や技術を習得するハードルは低く、
関連度の低い文系出身者よりも有利かもしれません。

ただ、それはそれまでプログラミングないしその関連分野の学習にかけた
時間や労力の違いであるだけなので、よほど適性や素質的に問題がなければ、
それと同等あるいはそれ以上の時間や労力をかけることでその水準に達することは可能です。

特にプログラミングの世界では新しい理論や技術が次々と登場しており、
それらにキャッチアップしていかなければ、いくら経験豊富なエンジニアであっても
落ちぶれてしまうことは言うまでもありません。

3.大抵のプログラミング業務では数学的知識が要求されることがあまりないから

AI開発や他の高度な数学的知識や情報工学の知識などを要する分野であれば、
それらの知識がないことで学習を進めることや業務を行うこと自体が困難という場合もあります。

ですが、現在のプログラマー需要の大半を占める大抵のWeb開発やシステム開発では
そのような知識が必要になることはほとんどなく、
ある程度の文法とライブラリを使う技術や経験で業務をこなせてしまう場合もあります。

仮にそのような知識が必要になる分野であったとしても、
時間をかけてでも必要な知識や技術を身につければよいだけの話で、
そのことと文系か理系かは関係がありません。

4.実際の業務ではプログラミングだけをすればよいわけではないから

もしプログラミングが理系に有利だったとしても、
実際の開発業務ではそれだけをしていればよいわけではありません。

その他にも、設計書などのドキュメントの作成、
別チームとの仕様調整やマネジメント業務などもあります。

そのような業務は他人に任せて、自分はプログラミングに
専念するという役割分担がある程度できればよいかもしれませんが、
エンジニアにはある程度のコミュニケーション能力や対人スキルも要求されます。

コーディングもただ仕様通りに動けばよいわけではなく、
他の人が読んだり修正することも念頭に入れて、
可読性、保守性を意識したり、適切なコメントを書いたりする必要もあります。

そのような能力は必ずしも高度な数学的知識を必要とするわけではありませんので、
もしそのような能力の高い文系出身エンジニアがいれば、現場で重宝されます。

このように、仮にプログラミングの能力自体はまだ低かったとしても、
他の分野で別の適性や能力を活かすことによって、チームやプロジェクトに貢献することは十分可能です。

文系だからという理由で、言い訳したり向いてないと諦めたりする方が問題

もしかしたらプログラマーとしての適性はあるかもしれないのに、

「自分は文系だから…」

という理由で学習を怠ったり、技術を向上させる
意欲を失ってしまうことは非常にもったいないことです。

確かに学生時代からプログラミングをバリバリしていて、その後の研鑽も怠らず、
他の人が追いつくのが困難であるような凄腕のエンジニアも存在します。

そのような人はいわばマラソンで誰よりも早くスタートし、
誰よりも速く走っているランナーのようなもので、
プログラマーとしての適性があるのと同時に、
他の人よりも多くの努力をしているので結果を出せています。

ただ、エンジニアに求められていることは技術的に一番になることではなく、
プログラミングの技術を通じて何らかの問題を解決したり、
価値を与えられるようなサービスの提供に貢献することです。

ですので、企業側も学歴や文系か理系かという表面的な違いよりも、
そのような知識や技術、経験があるかということを見ています。

そういった視点を持つことで、より求められるエンジニアとは
どのようなものなのかということがわかるようになり、
それに合わせてスキルアップしていくことで、
市場価値の高いエンジニアとみなされてキャリアアップしていけるのです。

プログラミングを好きになれば、技術はいくらでも向上できる

あなたがもし、プログラミングが好きなのであれば、
その技術力はいくらでも向上させることができます。

特定のスキルを身につけるには一定以上の時間と労力を投入することが必要ですが、
プログラミングが好きならそれにいくら時間を掛けたとしても苦になることはありません。

大量の時間や労力を掛ければ、その技術がどんどん向上していくのは当然のことです。

では、プログラミングを好きになるにはどうしたらよいのでしょうか?

それには、自分に役に立つようなプログラムを実際に作成してみるとよいでしょう。

それらのプログラムは他人に見せるわけではないので、
デザインは凝ったつくりにする必要はありません。

また、人にコードを見せるわけではないので、
大してきれいに書く必要もありません。

ただ、自分の役に立つ、自分が価値があると感じられるものであれば何でも構いません。

そのようなプログラムを実際に作成し使ってみて、
自分がその価値を感じるという経験を積むことで、
自分にとってプログラミングという技術の価値が高まり、
その中に楽しさを見つけていくことができます。

そうすることによって、次第にプログラミングを好きになっていけるのです。

最後に

いかがだったでしょうか?

エンジニアとしての適性に文系理系は関係なく、
スキルアップしていけるかどうかは本人の努力次第であることを
お分かりいただけたのではないかと思います。

もし、あなたが技術力に自信がないと悩まれているのであれば、
技術のないエンジニアが生き残る方法を以下の記事で解説していますので、
合わせて参考にされることをオススメします。

記事:技術力のないエンジニアが生き残るには?【適性、努力、志向、環境を確認しよう】

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