ITエンジニアのみなさんは、今の仕事を辞めたいと考えたことはありませんか?
「残業や休日出勤が多くて体力的につらい…」
「給料が安すぎる…」
「給料が上がらない…」
「人間関係で悩んでいる」
「仕事の重圧でストレスが半端ない…」
「会社の仕事のやり方が気にくわない」
「仕事が楽しくない」
「今の働き方が合ってない…」
「勉強が大変…」
「今のまま働いても仕事の将来性が感じられない」
と悩まれている方も多いかと思います。
また、すでに転職を考えている人もいるかも知れません。
ですが、焦って行動してしまうと状況がほとんど変わらないか、より悪くなることもあるんです。
また、行動に踏み切れないからといって思考停止に陥って、
イヤイヤ仕事を続けると心身を病む危険性もあります。
このような事態にならないようにするためには、
自分の現状の何に不満を抱えているかをしっかり分析して、
どうしたらその状況が改善されるかをきっちり見極めた上で行動する必要があります。
この記事では、ITエンジニアが仕事を辞めたいと感じる理由をなるべく多く取り上げ、
場合別にどのように行動すればより良い結果が得られるのかについて解説していきます。
ITエンジニアが仕事を辞めたい12の理由と取るべき6の行動とは?
結論から言うと、ITエンジニアが仕事を辞めたいと感じたときに取るべき行動は、
- もう少し今の現場で頑張ってみる
- 今のスキルを活かせる別業界に転職する
- IT業界の別会社に転職する
- より責任の少ない派遣社員になる
- より柔軟な働き方ができるフリーランスエンジニアになる
- 心身を病む前に早めに休職して、身体を休める
の6つです。
ですが、この中から好きなものを選べばよいわけではありません。
自分が仕事を辞めたい理由と現状の自分の置かれている状況などを勘案して行動しないと、
現状と大して変わらなかっリ、現状よりも悪化してしまう危険性があります。
ですので、まずは仕事を辞めたいと感じる理由についてはっきりさせておく必要があります。
ITエンジニアが仕事を辞めたい理由は、
- 残業や休日出勤が多い
- 給与や待遇がよくない
- 仕事が大変
- 人間関係がうまくいっていない
- 会社や上司などの仕事のやり方が気に入らない
- 仕事内容が面白くない、やりがいを感じられない
- 自分の働くイメージと合わない
- 働き方が合っていない
- スキルアップしにくい環境で働いている
- 今の仕事に将来性が感じられない
- 仕事内容が難しい、理解できない
- 勉強や技術のキャッチアップが大変
の12個に分類されるかと思います。
以下で、それぞれについて解説していきます。
ITエンジニアが仕事を辞めたい理由
1.残業や休日出勤が多い
IT業界の開発現場では、残業や休日出勤が多いことが知られています。
また、実際にそのような現場を経験された方も多いかと思います。
特に工数の正確な見積もりが難しい大規模開発や仕様変更の多い開発現場、
コストを掛けられずに人員が足りていない現場などでは、
スケジュール通りに開発を進められないことも多く、
残業や休日出勤が常態化してしまい、
納期前には徹夜しなければならないこともあります。
残業が当たり前になっている現場だと、自分の作業が終わって
他のエンジニアよりも先に帰ろうとすると白い目で見られたり、
かえって他の作業を振られかねないので、
仕方なく残業しているエンジニアもいることと思います。
私自身も会社の会議室に寝泊まりした経験がありますし、
同じ現場で月の勤務時間が300時間を超えたPMの話や、
別の現場で月の勤務時間が400時間を超え、
薄給だったのに月の給与が残業代含め100万円を
超えたエンジニアの話も聞いたことがあります。
某受託開発企業の現場に入ったときは、海外外注先の仕事の質が低く、
また設計書が不明瞭で何度も突き返されていて作業の進捗が悪く、
PMや開発リーダーが現場で仮眠を取りつつ作業を進めていて、
本当に納期までに完成するのか心配になるほどでした。
このような状況が続くと次第に体調を崩したり、
精神を病むなどの問題が発生することもあります。
ただ、すべての会社や現場で残業や休日出勤が多いわけではありませんし、
納期前などの繁忙期はかなり忙しくなるけれども、
仕様や要件が決まるまではやることがほとんどないという状況になることもあります。
特にSIerや受託開発系企業では残業や休日出勤が多くなることもありますが、
自社開発系企業であれば、ディレクターの判断で納期を遅らせることもできるので、
比較的残業などは少なくなる傾向があります。
苛烈な現場を経験したエンジニアは、IT業界全体で残業や休日出勤が蔓延していると考えがちですが、
現場や会社によって状況は異なりますので、安易に別業種に転職するのではなく、
Web系の自社開発企業に転職したり、より責任が軽い派遣エンジニアとして
客先常駐で働くという選択肢を持つことも有効となります。
また、ある程度腕に覚えのあるエンジニアであれば、
フリーランスとして企業から直接案件を受注したり、
週2~3日現場に常駐して働く、リモートで働くなど、
より柔軟な働き方もできますので、
幅広い視点で自分のキャリアや働き方を考えてみることが重要です。
2.給与や待遇がよくない
特に商流が深いSES会社に所属しているエンジニアの場合、
多重下請けで何度も中間マージンが取られて、給料が少ないということはよくあります。
また、給料にみなし残業代が含まれていることを知らずに入社してしまい、
残業しても残業代が出ないということもあります。
この給料にみなし残業代を含めるというやり方は、
少ない給料しか出せない会社が求人情報で給料を多く見せるときの常套手段で、
給与のみならず待遇も実際とは異なっていることもよくあるようです。
さらに、同年代のプロパー社員がマネジメント業務を任され始めて、協力会社の立場の低さを実感したり、
現場に常駐している他のエンジニアとの給料格差を知って愕然とすることもあります。
私も同じ現場の大した仕事をしていないフリーランスエンジニアが私よりもはるかに高い収入を得ていて、
私自身もフリーランスエンジニア転向を決意したという経緯があります。
このように、商流が深く中間マージンが多く取られていて給料が少ない場合や、
プロパー社員よりも待遇が悪いと感じた場合は、
より商流の浅いSIerやWeb系の自社開発企業に転職することによって、
給料を上げたり、待遇の改善を実現することができます。
また、単に収入を上げたいのであれば、2年以上の開発実務経験は必要ですが、
私のようにフリーランスエンジニアになることによって、収入を大幅に上げることも可能です。
以下の記事で、フリーランスエンジニアのメリットとデメリットについて解説してますので、
ご興味がある方は参考にしてみてください。
記事:フリーランスエンジニアのメリットとデメリット【経験者が詳しく解説】
3.仕事が大変
最初の要件定義が不十分、クライアントのイメージとは違うなどの理由で、
仕様変更が多く発生することがあります。
これが、開発フェーズに発生すると設計からやり直す必要な場合もあり、
手戻りと多大な工数が発生して、プロジェクトの進捗に大きく影響します。
プロジェクトを管理するマネージャーは、納期に間に合わせるために全体の進捗に目を配り、
エンジニアと密にコミュニケーションを取って調整を行っていく必要があります。
また、なにかトラブルが発生したときは、業務時間外でも電話がかかってきたり、
24時間体制で対応が必要になる場合もあり、次々に問題が発生すると気が休まることがありません。
専門知識がなく技術への理解が乏しいクライアントと調整したり、
状況の説明するのに苦労することもありますし、
そのようなクライアントから大幅な仕様変更など無理難題を押し付けられることもあります。
特に受託開発で納期の遅れやバグなどで工数がかさむと、コストが膨らみ赤字になることもあります。
IT業界の開発の仕事は、このように実際のプロジェクトがスムーズに進まないこともあり、
何か問題が起きて新たに工数が発生すると、PMやエンジニアの負担が増大するなど非常に大変です。
ですが、これらは大規模開発のプロジェクトを行うSIerや受託開発ではよくありますが、
すべての現場で発生するとは限りませんので、そのような会社以外に転職したり、
そのような現場以外の案件を選ぶことによって、仕事の負担を少なくすることができます。
また、そのような責任が重いプロパー社員の立場でプロジェクトに関わると、
やることが多く心労も絶えませんが、派遣社員など外部の人間であれば責任は軽くなります。
ただ、フリーランスエンジニアはある程度現場を選べるので
このような現場は避けることができるのですが、
SES会社に所属しているエンジニアの場合、案件を選べずに
そのような現場に派遣させられてしまうこともありますので、注意が必要です。
4.人間関係がうまくいっていない
このように、IT業界の開発現場は仕事が大変でプレッシャーやストレスが大きい、
プロジェクトが予定通りに進捗しないことで残業や休日出勤させられることが多い、
多重下請け構造により商流の深い会社のエンジニアの給料が低い、
プロパー社員と協力会社の待遇の違い、エンジニア間の給料の格差など
様々な問題があるため、フラストレーションが溜まりやすく、
それによって人間関係がギスギスすることがよくあります。
このことによって、顧客や上司からきつく当たられる、
他のエンジニアが残業している中で先に帰ろうとすると白い目で見られる、
現場を辞めづらくなるという他に、
エンジニア間のコミュニケーションが疎かになることで、
プロジェクトがますます進みづらくなるなど多くの問題が発生します。
このように、現場全体の人間関係がうまくいっていない場合は、
そもそもの原因が多岐にわたり、その原因も根深いことがありますので、
独力での解決は困難で、なるべく早くその現場を離れるほうがよいでしょう。
ただ、人間関係以外では大きな問題が発生しておらず、
特定の顧客や上司などとの相性が悪いという場合は、
あえて現場を変えなくても、担当やチームを変えてもらうだけで解決する場合があります。
ですので、そのような調整を開発リーダーや上司にお願いしてみて、
状況が変わらない場合は、現場を変えたり、転職することを検討しましょう。
5.会社や上司などの仕事のやり方が気に入らない
開発の仕事をさせてもらえるはずだったのに、管理業務を任されている場合や、
Webデザイン希望だったのにそのような案件はなかった場合など
自分がやりたいことをさせてもらえないことで、会社に不満を持つこともあるかと思います。
また、開発現場のエンジニアのレベルがあまり高くない場合、プロジェクトを進めるために
仕事ができるエンジニアに多くの作業が割り振られることもあります。
この場合、それに応じてエンジニアの給与や待遇が向上することはほとんどありませんので、
負担だけが増える形となり、そのエンジニアの会社やチームに対する不満が募ることになります。
このように、会社や上司などに自分の希望とは違うことをさせられていたり、
不当に扱われていると感じたときは、不満を自分の中で抑えたり、まったく表明しないと
問題がないとみなされて、現状維持となってしまう恐れがあります。
ですので、まずはその状態が不満であることを表明した上で、
その問題を解決できるような代替案や解決策を提示することが必要です。
その際、何も代替案や解決策を提示しないとただのワガママと見られることがあり、
またそれが具体的かつ現実的なものでないと会社側としての対応が難しく、
結局現状維持となってしまうことがありますので注意が必要です。
このような調整を行っても状況が改善しない場合は、
会社側の対応に納得してその現状を受け入れるか、
その会社や現場を離れるかを選択することになります。
6.仕事内容が面白くない、やりがいを感じられない
SIerでの大規模開発、受託開発企業でのクライアントの業務系システム開発などでは、
仕事が面白くないと感じることがあります。
大規模のあまり自分の貢献が小さく感じられてつくったという実感もほとんどなく、
業務を自動化や効率化するのが目的のシステム開発ではユーザーの意見や感想などを聞くこともないので、
仕事のやりがいを感じられない、自分でなくてもよいのではと感じてしまうのです。
このような場合は、例えばビジネス向けではなくコンシューマー向けの
自社サービスを運営しているような自社開発企業やベンチャー企業に転職すると良いかもしれません。
あるいは、他人の開発するサービス自体に興味がないのであれば、
自分でそのようなサービスを開発、運営してみるのも良いかもしれません。
いきなり起業して自分のサービスを開発してみるというのは
リスクが大きく非常にハードルが高いですが、
フリーランスエンジニアとして週2~3日程度働いて生活費を稼ぎつつ、
空いた時間で副業として自分のサービスを開発していくこともできます。
プログラミングの技術は、単に企業で活かすだけでなく、
自分でサービスを開発していくこともでき、
コストも非常に低くてすむので、起業には向いているといえます。
このように副業としてローリスク起業をして、
うまく行ったらそれをメインの事業としていくのもよいかもしれません。
7.自分の働くイメージと合わない
そもそもイメージや稼げそうという理由で職種を選択したが、
プログラミングやサービス開発にはまったく興味がなかったということもありえます。
プログラマーには向き不向きが大きく分かれ、
実際に業務を行ってみて自分には向いていなかったと気づくこともあるかもしれません。
その場合、上流工程に進んで設計業務やマネジメント業務を行う気もないのであれば、
仕方ないので別職種への転職を検討することになりますが、
そうであってもそれまで培ったITの知識の活かせる職種を選ぶことで、
それまでの経験を活かすことができ、それらと新しいスキルを
掛け合わせることによって、ITの知識をほとんど持っていない人と差別化できます。
IT技術はどのようなビジネスでも幅広く用いられていますので、
例えば、IT営業、ITコンサルタント、Webディレクターなど、
ITと親和性の高い職種を選んでいくことで、それまでの経験を無駄にせずに済みます。
8.働き方が合っていない
自社開発企業や受託開発企業などでは勤務先は自社であることが多いですが、
客先に派遣されて業務を行う派遣会社やSES会社のエンジニアは、
通常3ヶ月程度の期間の契約となっており、契約終了前に契約の延長を行うか判断されます。
このため、エンジニアのスキルレベルが低いと、契約打ち切りとなってしまうことがあります。
また、プロジェクト単位の契約となることもあり、
別の現場で1から開発の進め方について覚えたり、人間関係を構築したりと
毎回新しい環境に慣れる必要があります。
さらに、一貫性をもったキャリア形成がしづらいので、会社からの案件をただ受けるのでなく、
自分のスキルや志向などを意識してキャリア形成を行わないと、市場価値が上がりにくいといえます。
客先常駐する協力会社の立場は低く、常駐先で肩身の狭い思いをしたり、
社内イベントから除外されることで疎外感を感じることもあります。
ただ、このように同じ会社や現場に長く留まらないことは人によってはメリットで、
煩わしい人間関係をリセットしたり、短期間で様々な現場を経験することにより、
その現場を開発手法などを短期間で吸収して、効率的にスキルアップを実現できる人もいます。
このように、客先常駐の利点を活かせるエンジニアであれば特に問題ないのですが、
同じ会社で長く働きたいと考えているのであれば、
自社開発会社や受託開発会社に転職するのがよいかもしれません。
9.スキルアップしにくい環境で働いている
メーカー系SIerだと、システム開発で用いられているサーバーなどの機器やサービスは
自社製のものばかりを使用しているため、それらの技術などには詳しくなりますが、
他の会社ではそれらの技術が使われていないこともあるため、
汎用的な技術が身につきにくいことがあります。
また、現場によっては独自言語や独自フレームワークを使用していることがありますが、
そのような汎用的でない技術を学んでも他の現場では通用せず、
うまくキャリアアップしていくことができません。
そもそもエンジニアが自分1人だけしかいない現場や、
周りのエンジニアのレベルが低い現場だと、
レビューなどを行ってもらっても特段身になるような指摘はなく、
そのような現場では自分の技術やスキルを活かせないと感じることがあるかもしれません。
客先常駐の場合、担当業務が限られていてスキルアップがしづらかったり、
場合によっては雑用や単純作業しか任されなかったりすることもあります。
派遣契約で派遣されている場合は現場の指揮命令権があるため、
現場の具体的な指示を受けて業務を行うことができ、
そのエンジニアにとって少し難易度が高い業務であっても、
教えてもらいながら進めることができます。
SES会社に所属するエンジニアは派遣社員とは異なり、準委任契約で現場に派遣されており、
現場に指揮命令権がないので現場から具体的な指示を出すことができず、
そのエンジニアができる業務のみ割り当てていることがあります。
このような働き方だと、いつまでもスキルアップできず、
エンジニアとしての市場価値を高めていくことができません。
こうした事態を避けるには、教えられずとも自分で学習して業務ができるようになるか、
自社開発企業または派遣会社所属のエンジニアとなって現場で指導してもらうことが必要になります。
10.今の仕事に将来性が感じられない
残業や休日出勤の多さ、仕事の大変さやその重圧から、
身体を壊してしまったり、精神を病んだりして
働けなくなってしまうのではと不安に感じる人もいるかと思います。
また、上司や先輩の働き方を見て自分も将来そうなるのかと考えてしまうと、
その姿が自分の思い描く理想とは異なる場合は、若いうちに転職して
キャリアチェンジしたいと考えるのは無理もないかもしれません。
ですが、すべての現場で残業や休日出勤が多かったり、仕事が大変というわけではありませんし、
すべてのエンジニアがその上司や先輩のようなキャリアパスを進むわけではありません。
他にも定時で帰れる現場や、より自由な環境で働ける自社開発企業などがあります。
また、ある程度スキルがあれば週2~3日やリモートで働くことも可能です。
在宅勤務ができるようになれば、最悪怪我や病気で会社に出勤できなくなっても、
業務さえこなせれば収入を得ることが可能です。
他の会社や現場をあまり経験したことがない人は今の現場が基準となってしまうことがありますが、
一度思い切って別の現場を経験してみると、新しい見識が得られるかもしれません。
また、どうしても別業種に転職したい場合でも、
ITの知識や技術を活かせる職種を選択するのがよいでしょう。
11.仕事内容が難しい、理解できない
今まであまり勉強してこなかったり、学習するのがあまり得意でない場合は、
プログラミングで苦労するかもしれません。
実際の開発業務で高度な数学の知識が必要になることはあまりありませんが、
論理的思考力と数理的思考力はある程度問われます。
ですので、それらの能力がそれほどでもないと感じている人は、
プログラマーとしての適性はあまり高くない可能性もあります。
ただ、準委任契約で派遣されていて現場の指揮命令権がなく、
業務に関する指導を受けられずにスキルが伸び悩んでいる場合は、
派遣契約のエンジニアとなることで、現場の指導を受けやすくなり、
スキルアップできるかもしれません。
ただ、スキルレベルが低いと派遣会社に登録しても案件がない可能性もあるため、
どうしても自分には向いていないと感じた場合は、
別業界の会社に転職するほうがよいかもしれません。
ですので、自分の能力を客観視してくれる信頼できる人に相談して、
今後の自分のキャリアをどうするのかを考える必要があるでしょう。
12.勉強や技術のキャッチアップが大変
IT技術の進歩は目覚ましく、技術革新が速いペースで行われて
新しい技術やサービスがどんどん登場しています。
それらが今までの技術やサービスを駆逐してしまい、
自分の身につけたスキルがほとんど無価値になってしまう可能性もあります。
このため、エンジニアには常日頃から情報収集を怠らず、
これらの技術やサービスの概要やトレンドを把握して、
必要があればそれらに乗り換えていくなどの柔軟性も求められます。
人によっては、あまりに多い情報量に辟易してしまったり、
業務時間外で勉強するのがイヤという人もいることでしょう。
ですが、ほぼすべての産業がこのような技術革新の影響を受ける可能性があります。
AIによる自動化で消滅する職業も数多く予想されています。
また、単純な事務作業はRPAによって早い段階に自動化されることが予想されています。
給料が月20万円未満というのもざらな職種なのになぜか人気だったりします。
仮にそんな業種に転職しても、自身の市場価値の低下は避けられないでしょう。
このように、日々学習や自己研鑽によって知識やスキルを向上させ、
市場価値を上げる努力はIT業界に限らずに必要です。
そのような努力なしでは、市場価値を維持することすらままなりません。
多少は影響を受けにくい職種もあるかもしれませんが、
逃げの転職では自らの市場価値を下げるだけなので、注意が必要です。
ITエンジニアが仕事を辞めたいときに取るべき行動
1.もう少し今の現場で頑張ってみる
もし、現在の仕事に対して何らかの不満を持っているのなら、
まずはその原因は何か、どうすればそれを解決できるのかを考える必要があります。
それを考えずに仕事を辞めても、問題が解決するとは限りません。
というのも、辞めれば解決する問題ばかりではないからです。
いくら若いうちは転職が容易といっても、転職回数が増えるほど
転職で不利になることは頭の片隅に入れておく必要があります。
また、逃げの転職をすると、再度似たような問題が発生したときに
転職を繰り返す可能性が高くなります。
ただ、一生その会社に残れ、と言っているわけではありません。
自分のキャリア的にどうしても今の会社から抜け出さなければならない、
これが逃げではないと確信しているのであれば、転職するのも有効な場合があります。
ですが、その前に自分のスキルを見直し、
キャリアアップできる形で転職することをオススメします。
もし今の現場でまだ自分が習得していないスキルがあり、
そのスキルが他の現場でも評価されそうであれば、
先に身につけておくのがよいでしょう。
すでに転職を覚悟して業務に励むことになりますので、
ただ漫然とその仕事を続けるより精神衛生上も良いかと思います。
自分がキャリアアップしてその市場価値を上げるために、
もう少し今の現場で頑張ってみるというのも一つの手です。
2.今のスキルを活かせる別業界に転職する
どうしても、IT業界以外に転職したいという方は、
それまでのITに関する知識を活かせる職種に転職するのが良いでしょう。
というのも、まったく別領域の職業に転職するよりも、
今のスキルとの組み合わせを狙ったほうが一部前提知識を持った
状態で始められるので業務をスムーズに行いやすくなりますし、
そのような複数のスキルを持った人材は少ない傾向がありますので、市場価値を上げやすくなります。
そして、ITの技術はほぼすべての業界で活用していくことが必要になりますので、
新しい職種であってもある程度の需要は見込めます。
3.IT業界の別会社に転職する
今の現場や会社に不満があるだけという場合は、別業種に転職するのではなく、
より条件の良い自社開発企業に転職するほうをオススメします。
前述したとおり、IT業界全体が劣悪な環境ばかりというわけではなく、
中には環境の良い会社も存在しています。
自社開発企業の中には週3勤務やリモートワークを認めているところもありますので、
そのような会社に転職できれば仕事の自由度はぐっと高まります。
ただ、そのような会社は競争率が高かったり、高いスキルを要求したりしますので、
その前に自分のスキルを見直し、足りないスキルは事前に身につけておくなどして
自分の市場価値を高めておくことが必要となります。
4.より責任の少ない派遣社員になる
もし、ある程度実務経験を積んでいるものの、
スキル的に自社開発企業に転職する自信がない場合は、
一旦派遣契約のエンジニアとして客先常駐でスキルを磨くことができます。
派遣契約であれば準委任契約とは異なり、現場の指揮命令権があり、
現場の指導を受けて業務を行うことが可能になりますので、
自分のスキルでは難しい業務であっても任せてくれる可能性が高まります。
そうして、それまでの自分のスキルではこなせなかった業務を数多くこなすことによって、
効率よくスキルアップしていくことができます。
また、プロパー社員はトラブル発生時には業務時間外でも対応しなければならないのに対して、
派遣社員はそれほど責任は重くありませんので、残業が少なかったり、
業務時間外は仕事のことを忘れてリラックスできます。
このように、給与の低さが指摘されることも多い派遣社員ですが、
様々なメリットもあり、派遣社員としてスキルアップした後に、
自社開発企業に転職してキャリアアップを果たしたり、
フリーランスエンジニアに転向することによって収入を増やすことも可能になります。
これが準委任契約のSES会社だと、自分のスキルでできるタスクしか振られなかったり、
偽装請負を摘発されてその巻き添えを食う可能性もあるので、注意が必要です。
5.より柔軟な働き方ができるフリーランスエンジニアになる
もし、実務経験2年以上あって、収入を手っ取り早く増やしたい場合は、
フリーランスエンジニアになるという方法があります。
フリーランスというとどうやって案件を獲得してよいかわからないという人もいるかと思いますが、
フリーランスエージェントを活用すると、大して営業力がなくても案件を獲得できます。
また、高単価のフルタイム常駐案件や週2、3日案件、
リモートワークを紹介してくれるエージェントもありますので、
そのようなエージェントを活用すれば、仕事の自由度がかなり高くなります。
以下の記事で、目的別にフリーランスエージェントを選ぶ方法について解説してますので、
ご興味がある方は参考にしてみてください。
記事:フリーランスエンジニア向けエージェント比較【目的別に使い分ける】
6.心身を病む前に早めに休職して、身体を休める
無理がたたって心身を病みそうな場合は、早めに休職する事をオススメします。
そして、体力を回復させている間に、そのような会社で働き続けるべきかを考える必要があります。
精神を病んだ場合は就業が困難になり、回復も遅くなる傾向があります。
また、収入が途絶えて貯金を切り崩す生活になると、焦りから症状が悪化する危険もあります。
ですので、そのような状態になる前に早めに休職するか、
場合によっては退職するなどの行動を取る必要があります。
特にうつになると他のことが考えられなくなり、自分で手を打つことができなくなってしまいます。
また、そうなってしまったときに頼れる人をあらかじめ見つけておくことも重要でしょう。
最後に
いかがだったでしょうか。
ITエンジニアが仕事を辞めたいと感じても、
その理由によって取るべき行動は変わってくることが
お分かりいただけたかと思います。
今の会社や現場に不満があったとしても、
すぐに別業界に転職するのではなく、
今の自分のスキルを活かす形で、環境を変えてみることをオススメします。